セロクエルは、日本ではアステラス製薬株式会社により製造・販売されている抗精神病薬です。
有効成分としてクエチアピンを高用量含有しています。
服用することで心の病気の1つ、統合失調症を治療することができます。心の不具合を改善し、気持ちを穏やかにすることができます。

主な作用として、ドパミンとセロトニンといわれる2つの神経伝達物質のバランスを整えます。
それによって興奮や妄想、幻覚などの陽性症状だけでなく、無感情や意欲低下、自閉などの陰性症状に対しても優れた治療効果をあらわします。
これらの作用から、海外では統合失調症に限らず、強い不安感や緊張感、抑うつ、躁状態等の多くの精神状態に利用されています。
セロクエルを服用する際に、いくつか警告されていることがあります。

服用量の急激な減少ないし服用の中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、嘔吐等の離脱症状があらわれることがあるので、治療が完了して服用を中止する場合には、徐々に減量するようにしてください。
著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、セロクエルを服用中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うようにしてください。
前兆として口の渇き、多飲、多尿、頻尿等の異常があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに服用を中断し、医師の診察を受けるようにしてください。
逆に低血糖があらわれることもあります。
脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等に注意し、このような症状があらわれた場合にも、医師の診察を受けるようにしてください。

セロクエルを服用することで体重が増加することがあります。
肥満に注意し、肥満の兆候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置をするようにしてください。

用法と用量

通常、成人にはクエチアピンとして1回25mg、1日2回または3回より服用を開始し、状態に応じて徐々に増量します。
通常、1日服用量は150～600mgとし、2回または3回に分けて服用します。
服用量は年齢・症状により適宜増減します。
1日量として750mgを超えないようにしてください。

副作用

セロクエルは、服用することでいくつかの副作用が起こることが報告されています。

主な副作用として、不眠、神経過敏、傾眠、倦怠感、不安、高血糖、便秘、肝機能異常等が起こることが報告されています。
重大な副作用として、糖尿病性昏睡、糖尿病性ケトアシドーシス、低血糖、横紋筋融解症、痙攣、肝機能障害等が起こることが報告されています。
セロクエル300mgは中枢神経系に作用するため、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、セロクエルを服用中の方は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないようにしてください。

これら以外にも、いくつかの副作用が起こることが報告されています。
セロクエルを服用して、なにか気になる症状があれば速やかに医師・薬剤師に相談するようにしてください。

使用禁忌・併用禁忌

セロクエルは、以下のような方は服用することができません。

昏睡状態の方。
バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方。
アドレナリンを投与中の方。
セロクエル300mgの含有する成分に対して過敏症やアレルギー症状を起こしたことがある方。
糖尿病の方、糖尿病に過去にかかっていたことがある方。

これら以外にも、セロクエルを服用するのに注意が必要な方がいます。
持病のある方や、継続している薬・サプリメント・健康食品がある方は、セロクエルを服用可能か医師・薬剤師に相談するようにしてください。

保管方法

セロクエルは、高温・多湿を避けて室温（1～30℃）で保管するようにしてください。
安全のため、子供の手の届かない場所に保管してください。