レチノA0.05%は、強力な尋常性ざ瘡（ニキビ）治療薬です。

レチノA0.05%は、世界的に有名な製薬企業であるJanssen Pharmaceuticals（ヤンセンファーマ）によって製造・販売されています。

Janssen Pharmaceuticals（ヤンセンファーマ）社は1953年、ベルギーのポール・ヤンセンが創業、1961年にジョンソン・エンド・ジョンソングループに入り、現在は世界50カ国以上の国で3万人以上の社員が働いています。

「患者さんのニーズが十分に満たされていない疾患領域でリーディングカンパニーとなること」を事業戦略の一つの柱にしており、5つの治療領域神経科学、感染症、腫瘍・免疫疾患、心血管・代謝系疾患における新たな製品開発に重点を置いています。

Janssen Pharmaceuticals（ヤンセンファーマ）社は日本でも展開しており、数多くの優れた医薬品を供給しているため、日本の医療業界にとってなくてはならない存在となっています。

レチノA0.05%も、そんなJanssen Pharmaceuticals（ヤンセンファーマ）社の開発した皮膚疾患治療薬であり、ニキビを治療することができます。

皮膚の漂白剤と名高いハイドロキノン製剤と併用することで、ニキビの治療だけでなく、美白・美容のためにも使用されています。
レチノA0.05%の効果・効能

尋常性ざ瘡（ニキビ）の治療

レチノA0.05%の有効成分

レチノA0.05%の有効成分トレチノインです。

トレチノイン（ATRA：オールトランスレチノイン酸）はビタミンAの誘導体であり､その効果はビタミンAの50～100倍であるといわれています。

日本ではまだ厚生労働省に承認されていませんが､アメリカでは約30年近く前からFDA（アメリカ食品医薬品局）にニキビの治療薬として認可されています。

さらに1980年代後半には､シミやシワなどの紫外線による肌の老化によって起こる諸症状に効果があるとして様々な報告がされています。

トレチノインには主に以下のような5つの効果が報告されています。

角質をはがす
表皮の細胞分裂を促進し皮膚の再生を促す
皮脂腺の働きを抑え皮脂の分泌を抑える
真皮のコラーゲンの生成を促し皮膚のタルミや小ジワを改善する
表皮内でヒアルロン酸などの分泌を高め皮膚をみずみずしく保つ

表皮の細胞は表皮の一番深い層(基底層)で生まれてから、徐々に表面に押し上げられてきて、やがて角質となり、最後はアカとなって皮膚からはがれていきます。

この表皮の細胞サイクルを皮膚のターンオーバーと呼び、ターンオーバー1周で約4週間かかることが知られています。

トレチノインは、これらの5つの効果によって皮膚のターンオーバーの期間を半分の約2週間に短縮することができます。

これらの作用により、ニキビを治療し、皮膚を美しく生まれ変わらせ、新しい白くて美しい肌にすることができます。

さらに、皮膚のターンオーバー促進による新しい皮膚産生だけでなく、シミの原因となるメラニン排出作用により現在の皮膚を美白する効果もあらわします。

皮膚の漂白剤と名高いハイドロキノン製剤と併用することで、ニキビの治療だけでなく、美白・美容のためにも使用されています。
用法と用量

海外で承認されているトレチノインクリーム0.05％の用法・用量は以下の通りです。

尋常性ざ瘡（ニキビ）

1日1回、夕方にニキビがある皮膚に、患部全体を軽く覆うようにトレチノインクリーム0.05％を十分に塗布します。炎症がひどかったり、刺激が強かったりした場合は必要に応じて使用を一時的に中止したり、使用頻度を隔日にするなど調節します。
トレチノインクリーム0.05％ニキビ改善効果はおよそ2～3週間程度ででてきますが、より確実な効果が得られるまでには6週間程度の使用が必要です。

皮膚の美容・美白の目的にもトレチノインクリーム0.05％は使用されています。

皮膚の美容・美白のために推奨されている用法・用量は以下の通りです。

漂白期（2～6週目）
開始2～6週目ではトレチノインクリーム0.05％とハイドロキノン製剤を併用し、表皮のメラニン排出を促進します。治療開始から3～4日のうちに皮膚が紅くなる皮膚の炎症、ターンオーバーの亢進により皮膚の皮がうすく剥ける、乾燥などの症状がみられます。
治癒段階期（6～12週目）
シミが消失あるいは軽減した段階でトレチノインクリーム0.05％を中止し、ハイドロキノン製剤のみを使用するようにしてください。

副作用

主な副作用として、皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、かゆみなどが報告されています。これらは、使い始めてから初期のころにあらわれることが多く、通常、軽度で一時的なものです。
しかし、症状が悪化したり、治らなったりした場合は、医師または薬剤師に相談してください。

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
使用禁忌・併用禁忌

＜禁忌＞（次の患者は使用しないこと）

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

＜次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。＞

以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。
妊娠、妊娠している可能性がある、または授乳中。なお、使用期間中に妊娠がわかった場合あるいは妊娠を希望する場合は、使用を中止し医師に伝えてください。
他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。
高齢者

使用にあたって注意事項

＜生活上の注意＞

皮膚刺激感が起こることがありますので、使用中は日光や日焼けランプなどによる過度の紫外線にあたらないようにしてください。
授乳中の方は、この薬を使用している間は授乳を避けてください。

保管方法

＜保管方法その他＞

乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、湿気を避けて室温（1〜30℃）で保管してください。凍結させないでください。
薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄については薬局や医療機関に相談してください。